幸せ読書

読書を通して、小さな幸せ見つけたい。

「かがみの孤城」 辻村深月 ポプラ社

学校での居場所をなくし、閉じこもっていた“こころ”の目の前で、ある日突然部屋の鏡が光り始めた。 輝く鏡をくぐり抜けた先にあったのは、城のような不思議な建物。 そこにはちょうど“こころ”と似た境遇の7人が集められていた―― なぜこの7人が、なぜこの場所に。 すべてが明らかになるとき、驚きとともに大きな感動に包まれる。 生きづらさを感じているすべての人に贈る物語。
(紹介文引用)
 

この小説、今読み終わったところなのですが、後半、怒涛の展開で、ページをめくる手が止まらず、どんどん読み進められ、とても面白かったです。

ただ、この作家さんの作風がそうなのか、たまたま、この作品がそうなのかは分かりませんが、ストーリーの前置きがかなり長いなぁと思いました。登場人物のことを丁寧に描いているのは、分かるのですが、前半、もう少しコンパクトに書いてくれたなら、途中で、もう読むのを止めようかなと、思わなくて済んだのにと。

自分の子供が不登校で学校に行っていないのに、その事情を親が理解するまでにかかる時間が長すぎると思いました。最終的には主人公の母親が、不登校になった事情をしっかり理解して、一緒に頑張ってくれたのは、良かったです。

あまり書くとネタバレになるので、控えますが、かがみの城に集められた少年少女達に隠された共通項があった時は、驚きました。それが、後半のもっと大きなトリックがあったことには、驚愕しました。

この本を読んで、改めて、自分に友達がいてくれるありがたさみたいなもなを実感しました。それから、これからの社会には、不登校になった子が、学校以外に、避難出来る、本書で出て来たフリースクールみたいなものが、重要だなぁと思いました。我々、大人がしっかり考えなくては、いけないなと思いました。

本作品は、私が今まで読んだことのあるどの小説とも違い、作品の前半は、ヒューマンドラマの要素が、強く、後半は、ミステリドラマの要素が強かったです。純文学とミステリ小説の素晴らしい融合かなと思うような小説でした。