幸せ読書

読書を通して、小さな幸せ見つけたい。

春休みを頂きます。

先週ぐらいから、体調を崩しております。季節の変わり目が主な原因だと思います。妻が放射線治療を行なっているので、私も気が張っているのも1つの要因かも知れません。体調が悪いので、読書したいのですが、少し無理なようです。ですので、ブログ更新をしばらく、お休みさせて頂こうと思います。

 

いつも仲良くして下さってる、ブログ友達のべるさん、わぐまさん、ムっくんさん、その他いつもスターを下さったり、当ブログを応援してくださる皆様、ご心配をおかけしまして申し訳ありませんが、何卒よろしくお願いしますm(__)m

 

春が終わる頃には、またブログに戻って来れたらなぁと思っています。

皆さま、それまで、どうかお元気で。

「春季限定いちごタルト事件」 米澤 穂信 創元推理文庫

そしていつか摑むんだ、あの小市民の星を。
小市民を目指す小鳩君と小山内さんのコミカル探偵物語
小鳩くんと小佐内さんは、恋愛関係にも依存関係にもないが互恵関係にある高校1年生。きょうも2人は手に手を取って清く慎ましい小市民を目指す。それなのに2人の前には頻繁に奇妙な謎が現れる。消えたポシェット、意図不明の2枚の絵、おいしいココアの謎、テスト中に割れたガラス瓶。名探偵面をして目立ちたくないというのに、気がつけば謎を解く必要に迫られてしまう小鳩くんは果たして小市民の星を掴み取ることができるのか? 新鋭が放つライトな探偵物語
(紹介文引用)
 

タイトルの様に本作には、クレープ、いちごタルト、ココア、ひいてはケーキバイキングなどスイーツがたくさん出て来たのは、甘辛両刀使の私にとっては、楽しかったです。

第1話の『羊の着ぐるみ』に出て来たポシェットに入ってたのもは、この年頃なら容易に想像出来ますよね〜。でも、そういう無骨なやり方しか思いつかなかた高田君がまた、初々しく感じました。小鳩君を助けた小山内さんのコンビネーションが良かった。

第2話の『For your eyes only 』に出て来た「価値概念と数量概念がごちゃごちゃになってる高尚って言葉に、シニカルな目を向けてたんだ」という意味がイマイチ良く分からなかった。(私がアホなだけか?)

第3話の『美味しいココアの作り方』では、小鳩君の同級生(幼馴染)の健吾こだわりのココアの作り方もへぇーと思いましたが、それよりも、小鳩君の性格的なことについて、健吾に「三つ子の魂ってやつだ。」と言われて言い返したのが「男子三日会わざれば、ってやつだよ。」え!それ何?と思いました。そこで、調べてみると、「男子、三日会わざれば刮目(かつもく)して見よ」という慣用句だそうです。意味は、「人は別れて三日もすれば大いに成長しているものであって、また次に会った時は目をこすってしっかり見なければなりませんよ。」とのこと。
本作、文章は、本当にライトなのですが、ちょいちょい難しい言葉や聞いたことのない言い回しが出て来るので、米澤先生、学がお有りなんだなぁと思いましたし、私自身、大変勉強になりました。

ただ、このお話のテーマと言うか、キャラ設定の『小市民』である事の何が良いのかが最後までよく分かりませんでした。あと、小鳩君と小佐内さんの互恵関係というのも、いまいちピンと来ませんでした。それと、私は、やっぱり日常のミステリ(人の死なないミステリ)よりも、人の死ぬミステリの方が好きなんだなぁと改めて思いました。本作を薦めて下さったべるさんには、申し訳ない感想になってしまいましたm(__)m

最後に、結局、お一人様一個限定の春季限定いちごタルトの行方はどうなったのかなぁ〜。やっぱり、あのサカガミが1人で2個食べたのかなぁ〜。

「居酒屋ぼったくり」 秋川滝美 アルファポリス

東京下町にひっそりとある、居酒屋「ぼったくり」。名に似合わずお得なその店には、旨い酒と美味しい料理、そして今時珍しい義理人情がある――。全国の銘酒情報、簡単なつまみの作り方も満載! 旨いものと人々のふれあいを描いた短編連作小説、待望の書籍化!
(紹介文引用)
 
本作品、ブログ友達のべるさんに、お酒好きの私なら良いのではとお薦めしていただきました。これが、食いしん坊でお酒好きな私のドストライク(死語か?)でした!べるさん、ありがとうございます!今回の記事は、色々内容について触れたいので、ネタバレ&ただ書きたい事を書くで行きます。本作を読もうかなぁと思ってらっしゃる未読の方は、ご注意下さい。ネタバレじゃない記事を読みたい方は、以下のべるさんの素晴らしい記事を読まれる事をお薦めします。
 

belarbre820.hatenablog.com

 

この居酒屋ぼったくりは、席数からしてちょうど良い。カウンターと小上がりで合わせて20席とのこと。その店で今調理したものを出せる手作り料理の限界は、大体30席未満だと、過去の経験上思うからです。居酒屋や料理屋をネットで探す時は、席数も決める重要な要素にしてます。

第一話『暖簾の向こう側』に出て来た「おでん」いいですね。私も、毎年、具材をたくさん買って、妻と一緒に作ります。私のおでんの鉄板は、大根、玉子、厚揚げです。皆さんは、何がお好きですか?さて、去年の11月頃に、今シーズンの1回目のおでんパーティーをしました。でも今シーズンは、妻の入院と手術があったので家で作るおでんは1回きりでした。それで、妻の手術の日、相当精神的にも、身体的(胃への)にもストレスがあったようで、なんかあっさりしてて、温かい物が食べたいなと思い、好きな居酒屋さんのおでんをデリバリーで注文して食べました。温かくて胃にも優しくてとても嬉しかった記憶があります。本作、居酒屋ぼったくりのおでんは、ちくわぶが入る所を見ると、関東のおでんだなぁと思いました。

そして、おでんの話しの後に出て来た美音さんの作る卵黄の味噌漬け、お酒に合いそう。食べた事がないので、食べてみたーい。

それから、常連さんの1人のアキさんが所望した人参の葉っぱ。大根の葉っぱの炒めた物なら食べたことがありますが、人参の葉っぱの炒めた物は、今まで食べたことありません。話に出てくるアキさんとリョウ君の食べっぷりを見てると美味しそうだなぁと思いました。(人参は苦手だけど^^;)

次に、第3話に出て来た『小鰺のあつあつ南蛮漬け』。 熱いのに冷たい。冷たいのに熱い。カリカリに揚がった小鰺が冷たい三杯酢を含んで、噛んだ瞬間じわりと染み出すってのを読んで、不覚にも食後にも関わらずヨダレが出ました。('﹃'*)ジュルリ

第3話の『丑の日の孝行娘』は、良い話だったなぁ。人間の温かさと愛情が滲み出て来る話でした。その話の「鰻問題」を解決するのに、脇役として登場したのが錦糸玉子。作中に「大人でも下手な人がいるぐらいの錦糸玉子」とありましたが、私も錦糸玉子を作るのが苦手です。私が結婚する前、付き合っていた妻の方が残業が多く、帰りが遅かったので、3月3日のひな祭りの日に、帰りが遅くなる妻にちらし寿司を作っておこうと、試みたのですが、錦糸玉子が上手く焼けず、分厚かったり薄くて、切れたりと散々でした。それでも、妻は喜んで食べてくれたのを今でも覚えています(苦笑)

第6話『夏休みの過ごし方』に出てきた、枝豆には、ビックリ!「うちでは、枝豆は枝に付いたまま大鍋で茹でちゃうの」とのこと。人生半世紀生きてきたけど、枝に付いたまま茹でた枝豆なんて、一度も食べたことがありません。それは、それは、美味しいだろうなぁと思いました。

最終話『ゴーヤの苦み』にゴーヤチャンプルが登場するのですが、そのレシピが、「しっかりわたを取ること、塩もみすること、湯通しすること、それにノリの言った『ポーク』と鰹だし。」これって、私が昔、ネットで調べた沖縄の人が書いてらしたレシピと一緒だ!と思いました。ちなみに、我が家は、ポーク(スパム)の代わりに豚肉でやってます。

本作、途中でたまに出て来る挿し絵が温かいタッチで心癒されました。


特別高い仕入れ品ではなくても、料理の作り方一つ一つに細かい配慮が詰まっている所が、この居酒屋ぼったくりの凄い所だと思いました。そして、そこに集う人達の人情にとても心温まりました。この作品、また必ず続編読みます!

最後に、本作に登場した、数々の美味しそうなお酒なのですが、全部飲んでみたーいと思いました(飲んだことあるのは、日本酒1種類だけだったのて、凄く、勉強になり、貴重な情報でした!)

それで、実際に飲んでみようと思って、まずは、近くのスーパー(結構、お酒の種類に力を入れてるスーパー)で買えて美味しそうな2つにしました。両方とも本作で、「閉店前に来る男」こと要さんが飲んでたお酒です。

<日本酒代表>

厳選辛口 吉野川

<ビール代表>

ヒューガルデンホワイト

また、実際に飲みましたら、サブコーナーの記事にアップするかも知れません。

今回は、書きたい事を書きたいだけ書いた、はちゃめちゃ記事にお付き合いして頂きまして、ありがとうございました。これに懲りず、今後とも当ブログをご贔屓に、よろしくお願いします。

「殺人症候群」 貫井徳郎 双葉文庫

警視庁・人事二課、環敬吾が率いる特殊任務チームは、一見何の関係もない複数の殺人事件に関連性がないか捜査を開始する。「大切な人を殺された者が、犯人に復讐することは是か非か」という社会的テーマとエンターテインメントを融合させた読み応え抜群の徹夜本。サスペンス、社会派、ハードボイルド、そして本格ミステリー。あらゆる醍醐味を味わえる、シリーズ三部作の掉尾を飾るにふさわしき大作にして傑作! 装い新たに新登場!
(紹介文引用)
 

今回の感想は、本作品のテーマに絞って書いて行きたいと思います。

上の紹介文では、「大切な人を殺された者が、犯人に復讐することは是か非か」が本作品のテーマと書いてありますが、本作を一読した私としましては「職業殺人者(殺人請負人)は、是か非か」の方がより本作のテーマに近しいと感じています。

話の途中で、職業殺人者の仲間は言います。「私達は生きてるに値しない人間しか殺していない。私達がしていることは正義なのだと。」
だが、生きているに値するかしないかは、誰が決めれる事なのでしょうか?法治国家の名の下での司法制度の少年犯罪や精神疾患者に対する機能は不全に陥っていると言っても過言ではないかも知れません。そうするならば人間か?神か?誰が決めれるのでしょうか!?

一方で、敵討ちと職業殺人は全然別個のものだと私は考えます。明治6年の「復讐禁止令」の公布までは、武士階級では、敵討ちは認められていました。少々ラディカルに思われるかもしれませんが、私は、敵討ちは認められても良いと思います。しかし、他人の敵討ちをお金で請け負い、それが正義だと言うのは、欺瞞であり、エゴであると思います。

そう言う観点から申し上げれば、私は復讐は是だが、職業殺人は非だと言う考えになると思います。これが、本作をずっと真正面から真剣に考えてたどり着いた私のテーマに対する答えです。こういう事を明言すると、復讐は復讐の連鎖を招くとか、法治国家での社会的秩序が守られないと、ご批判を受ける事も重々承知しております。でも、私は、人間は、理屈や法律だけでは、割り切れない感情の生き物だと思っています。私は、もし妻が何者かに殺されたら、絶対にその人間を生かしてはおきません。

それにしても、重く、悲しい場面の多いお話でした。

最後に、歌舞伎町で見えたような後ろ姿がもし倉持だったなら、著者のテーマへの答えがそこにあったような気がしました。

 

「誘拐症候群」 貫井徳郎 双葉文庫

誘拐事件が連続して起きていた。しかし子供の家族がなんとか払える身代金を要求するため、表沙汰にはなっていない。今、警視庁人事二課・環敬吾は影の特殊工作チームに招集をかける。だがその時、メンバーの一人で托鉢僧の武藤隆は、知り合いの子供が誘拐された事件に巻き込まれていた――闇に潜む卑劣な犯人を必ず炙り出す! ページを捲る手がとまらない、大人気「症候群シリーズ」新装版・三月連続刊行、第二弾!
(紹介文引用)

警視庁の影の特殊工作チームの環が追う、小口誘拐事件と、環のチームのメンバーである托鉢僧の武藤が巻き込まれる大口誘拐事件が巧みに交互に重なって来る展開は、読者の興味を飽きさせない作者の素晴らしい構成力だなぁと感心しました。

作品の途中、武藤が掴んでいる情報をただ警察に伝えるのではなく、自分自身で犯人確保にたどり着きたいという男として、いや人間としての意地が文面からひしひしと伝わって来ました。こう言う人間臭い所も面白かったです。

少しずつ犯人に近づいていく所の描写がとても上手で緊迫感があり、手に汗握る展開でした。

また、終盤に分かる、犯人起訴後に明らかにされる真実にも驚かされました。

でも、その結末より私が共感したと申しますか、思い出したと言った方が適切なのかも知れませんが、武藤が巻き込まれた事件の被害者である高梨のことを武藤が何故気にかけていたのか悟ったといいます。「高梨もまた、胸の奥に《獣》を飼っていたのだ。武藤が嫌悪し、目を背けてきた醜い《獣》を」と。この内に秘めた《獣》こそが、数々のハードボイルド作品を世に送り出して来た北方謙三の作品のテーマだったからです。北方謙三作品の『牙』や『檻』、そして名著『挑戦シリーズ』に続くテーマであったと思いますし、今、本作を読んで改めて思い出しました。

20代のころ私が夢中になって貪るように読んだ北方謙三などのハードボイルド作品を本作の作家の貫井さんは多分全て読んでらっしゃるんだろうなぁと思いました。

そのハードボイルドテイストと社会派ミステリ小説を見事に融合した本作は、素晴らしい作品でした。本作、『失踪症候群』に勝るとも劣らない名作だと思いました。

 

「失踪症候群」 貫井徳郎 双葉文庫

警視庁には影の特殊工作チームが存在する。警察組織が扱いにくい事件を捜査し、真相を追い求める。警務部人事二課の環敬吾が指令を送るのは、私立探偵・原田征一郎、托鉢僧・武藤隆、肉体労働者・倉持真栄の、プロフェッショナルなメンバー3人である。 若者の失踪が連続して起きている。その背後にあるものを探るべく、チームは動き出す。最後のページまで興奮がとまらない、大人気「症候群シリーズ」新装版・三月連続刊行、第一弾!
(紹介文引用)
 

まず、本書が発行されたのが1995年という事ですが、今から29年前の20代前半の学生達が、親のプレッシャーや煩わしい人間関係から逃れるために、こんなに簡単に失踪していたと言う事に、唖然としました。もちろん、フィクションの所もあるとは思いましたが。失踪する若者が、親や関係者からの追跡を逃れるために、仲介者を通じてあれを交換するという発想にもビックリしました。この辺り、貫井さんが、社会派と呼ばれる所なのかなと思いました。

構成はとても良く、すいすい読ませていただきました。ただ結構、登場人物が多かったので、名前を覚えるのが少し大変でした。

この作品のメンバーである元捜一の刑事だった、探偵の原田のストーリーが、ヒューマンドラマで、心に残りました。原田の娘さんの真梨子ちゃんが、原田が警察官を辞めたのにショックを受けていることは理解できるが、そこまで自暴自棄になって非行の道に突っ走って行くのは、高校生にしては、余りに幼い行動だなと思いました。原田が、辞職の時にもう少し、しっかり時間をとって話し合い、真梨子ちゃんと向き合えてたら違ったのかも知れませんが。それでも、最後は、真梨子ちゃんが死の淵から生還し、家族の絆を家族全員で取り戻そうという前向きな終わり方に安堵しました。

私は、昔にハードボイルド作品を読んでましたので、暴力的シーンには、耐性がありましたが、初めてこの手の作品を読む人には、ちょっと暴力的シーンが、残忍すぎるところは少し頂けないんじゃないかと思いました。

最後に、失踪者が、チャラスを作る技術を持ち帰ってたというオチは以外で面白かったです。でも、少し振り返ってみると、色々な伏線がちゃんと回収されていた所に、貫井さんのミステリ作家の美味さが光ってたような気がします。

私としては、最後は、現代版必殺仕事人でも良かったとも思いましたが、そこは、違いましたね。

なかなか渇いた感じのハードボイルドとサスペンスの見事な融合でした。

最後に、貫井徳郎さんの『症候群シリーズ』を紹介して下さったブログ友達のべるさんに感謝しています。

「屍人荘の殺人」 今村昌弘 創元推理文庫

神紅大学ミステリ愛好会会長であり『名探偵』の明智恭介とその助手、葉村譲は、同じ大学に通う探偵少女、剣崎比留子とともに曰くつきの映画研究部の夏合宿に参加することに。合宿初日の夜、彼らは想像だにしなかった事態に遭遇し、宿泊先の紫湛荘に立て籠りを余儀なくされる。全員が死ぬか生きるかの極限状況のもと、映研の一人が密室で惨殺死体となって発見されるが、それは連続殺人の幕開けに過ぎなかった。――たった一時間半で世界は一変した。究極の絶望の淵で、探偵たちは生き残り謎を解き明かせるのか?! 予測不可能な奇想と破格の謎解きが見事に融合する、第27回鮎川哲也賞受賞作。
(紹介文引用)

 

いやぁ〜凄い作品に出会いました!
かなり面白かったです。後半で、消去法から行って、この人が犯人なんじゃないかと思い読んでいると、その通りその人が犯人だったのが、少し残念ではありました。もう一捻りあってくれたらと思うのは、作者に求め過ぎなのでしょうか・・・⁈

さて、本作品は、よく言う「クローズドサークル」もので、何らかの事情で外界との往来が断たれた閉鎖的な空間で起きる事件を内部にいる人物が推理し、解決するミステリ好きにはたまらない本格ミステリです。私も、今までに、孤島ものや雪のクローズドサークルは、読んだことがありましたが、今回程、凄いのは初めてでした。まさか、アレの出現で、クローズドサークルの完成を見るとは思っても無かったです。このクローズドサークルを考えついた時点で作者の勝利の様な気がしました。迫り来るあれの恐怖と、その渦中に起こる殺人事件の二重の極限状況が、読ますペースを全然落とさせない、むしろペースを上げる見事な展開でした。

登場人物のキャラクター設定も良くて、語り手であるワトソン役の葉村君。そして、いきなり濃い〜キャラで登場する先輩は神紅のホームズこと、明智恭介。何やら江戸川乱歩明智小五郎高木彬光の神津恭介を足して二で割ったような名前で、自称、探偵にしてミステリ愛好会の会長。3人目は、「警察ですら手を焼いた難事件、怪事件の数々に挑み、類まれなる推理力を発揮して解決へ導いた探偵少女」の女子学生・剣崎比留子と、とても個性的ななキャラクターが描かれているのも、本作品の魅力だと思いました。私個人的には、明智先輩が好きだったので、もう少し活躍の場があったら良かったのになぁと思いました。

何やら、本作の続編も出版されているようなので、また、機会を見つけて読んで見たいなと思っています。

最後に蛇足ですが、登場人物の一人の立浪が垂れ流しにしていたロックのブルース・スプリングスティーン『ハングリー・ハート』は、昔から好きな曲でした。