幸せ読書

読書を通して、小さな幸せ見つけたい。

「首無の如き祟るもの」 三津田信三 講談社文庫

奥多摩の山村、媛首(ひめかみ)村。淡首(あおくび)様や首無(くびなし)の化物など、古くから怪異の伝承が色濃き地である。3つに分かれた旧家、秘守(ひがみ)一族、その一守(いちがみ)家の双児の十三夜参りの日から惨劇は始まった。戦中戦後に跨る首無し殺人の謎。驚愕のどんでん返し。本格ミステリとホラーの魅力が鮮やかに迫る「刀城言耶(とうじょうげんや)」シリーズ傑作長編。
(紹介文引用)
 

読み終わりました〜!
いやぁ〜凄い作品だなとビックリ仰天しました。

この作品は、私の敬愛する読書家のべるさんにご紹介して頂いて、読むことが出来ました。前々から、どんな作家さんなのかなぁ?と興味を持っていまして、横溝正史風だったら良いなと思って、厚かましくも思い切ってべるさんにお伺いしたところ、本作の刀城言耶シリーズが横溝系で、シリーズの中でも、本作が一推しとのことだったので、横溝正史好きの私は、かぶりついて読み始めました。

作品の最初から、おどろおどろしさ全開でした。

読み始めて間もない頃に出てきた、はないちもんめが横溝正史の「悪魔の手毬唄」みたいだなぁと思っていたら、途中で、全国の手毬唄の一例が出てきて成る程、やっぱりそうかと思いました。

地方の旧家の因習やその地域に根付いている伝説など、色々な点で横溝正史と似ており、横溝正史のミステリを元にそれを超える作品を作者は書こうとしているのか、はたまた横溝正史作品に対するオマージュなのかな?と思いながら、中盤まで読んでました。

終盤、最終章の怒涛の展開、謎解き、複雑なトリックいやぁ〜圧巻でした!
めちゃくちゃ何重にも張り巡らされた伏線に、どんでん返しに次ぐどんでん返し。頭がぐるぐる回ってしまいそうでした。

そして、作品の終わり方が凄く淡々としていて、それでいて、背中がすぅ〜と寒くなるような恐ろしさがあって、唸りました。この三津田さんの作品は、恐く、面白く、そしてまた、うすら恐ろしいという、素晴らしい作品でした。ミステリとホラーの融合なのかも知れませんが、私は、今までにホラー小説というものを読んだ事がないので、正直な所、融合かどうかは、分かりません。

私も思っていたように、三津田さんという作家さんは、横溝正史と比較されやすいかも知れませんが、推理部分と構成部分で凄くオリジナリティがある作家さんで、とても魅力的だなと思いました。このシリーズ、他にも作品があるみたいなので、是非また読んでみたいなと思っています。

最後に、素晴らしい作品に巡り合わせて下さった、べるさんに心より感謝しております。