幸せ読書

読書を通して、小さな幸せ見つけたい。

「汝、星のごとく」凪良 ゆう 講談社

 

ーーわたしは愛する男のために人生を誤りたい。

風光明媚な瀬戸内の島に育った高校生の暁海(あきみ)と、自由奔放な母の恋愛に振り回され島に転校してきた櫂(かい)。
ともに心に孤独と欠落を抱えた二人は、惹かれ合い、すれ違い、そして成長していく。
生きることの自由さと不自由さを描き続けてきた著者が紡ぐ、ひとつではない愛の物語。

ーーまともな人間なんてものは幻想だ。俺たちは自らを生きるしかない。
(紹介文引用)
 

この本は、私の敬愛する読書家のべるさんが、2022年ノンミステリーのランキング1位に選んでらしたのと、本屋大賞受賞作品だったので、どんなのかなと思い読んで見ました。

正直、あんまり重かったり、暗かったり、しんどかったら、途中で止めてもいいやと思って読み始めました。ところが、私の心配は、杞憂に終わりました。この本は、読み始めからすーっと体に沁みるように、入って来て、途中からは、どんどん引き込まれて、読むペースが加速して、この遅読の私が、わずか二日で読んでしまいました。

それでどうだったかと言うと、この小説、めちゃくちゃ良かったです。

確かに、読んでてしんどい所もありますが、そのしんどい状況や環境、様々な人間関係の中でも、もがき苦しみながらでも、主人公の二人が、自分の人生を必死に生きようとするところが、私を引きつけて離さなかったんだと思います。

まだ、この本を読んでいない方にネタバレしたくないので、ストーリーの細部には触れませんが、このストーリーは、大純愛ストーリーだと思います。でも、私が思ったのは、ただの薄っぺらい恋愛小説ではなくて、哲学書でもあるなと。「幸せ」とは?「愛」とは?「正しさ」とは?など、改めて自分自身に問い直さなくちゃと考えさせられました。

2024年正月早々、こんな素晴らしい本に出会えたことに感謝し、今年は良い年になるんじゃないかと、楽しみにしています。