(紹介文引用)
いやぁ〜凄い作品に出会いました!
かなり面白かったです。後半で、消去法から行って、この人が犯人なんじゃないかと思い読んでいると、その通りその人が犯人だったのが、少し残念ではありました。もう一捻りあってくれたらと思うのは、作者に求め過ぎなのでしょうか・・・⁈
さて、本作品は、よく言う「クローズドサークル」もので、何らかの事情で外界との往来が断たれた閉鎖的な空間で起きる事件を内部にいる人物が推理し、解決するミステリ好きにはたまらない本格ミステリです。私も、今までに、孤島ものや雪のクローズドサークルは、読んだことがありましたが、今回程、凄いのは初めてでした。まさか、アレの出現で、クローズドサークルの完成を見るとは思っても無かったです。このクローズドサークルを考えついた時点で作者の勝利の様な気がしました。迫り来るあれの恐怖と、その渦中に起こる殺人事件の二重の極限状況が、読ますペースを全然落とさせない、むしろペースを上げる見事な展開でした。
登場人物のキャラクター設定も良くて、語り手であるワトソン役の葉村君。そして、いきなり濃い〜キャラで登場する先輩は神紅のホームズこと、明智恭介。何やら江戸川乱歩の明智小五郎と高木彬光の神津恭介を足して二で割ったような名前で、自称、探偵にしてミステリ愛好会の会長。3人目は、「警察ですら手を焼いた難事件、怪事件の数々に挑み、類まれなる推理力を発揮して解決へ導いた探偵少女」の女子学生・剣崎比留子と、とても個性的ななキャラクターが描かれているのも、本作品の魅力だと思いました。私個人的には、明智先輩が好きだったので、もう少し活躍の場があったら良かったのになぁと思いました。
何やら、本作の続編も出版されているようなので、また、機会を見つけて読んで見たいなと思っています。
最後に蛇足ですが、登場人物の一人の立浪が垂れ流しにしていたロックのブルース・スプリングスティーン『ハングリー・ハート』は、昔から好きな曲でした。