幸せ読書

読書を通して、小さな幸せ見つけたい。

「木曜日にはココアを」青山 美智子 宝島社文庫

 

わたしたちは、知らないうちに誰かを救っている――。
川沿いを散歩する、卵焼きを作る、ココアを頼む、ネイルを落とし忘れる……。
わたしたちが起こしたなにげない出来事が繋がっていき、最後はひとりの命を救う。
小さな喫茶店「マーブル・カフェ」の一杯のココアから始まる12編の連作短編集。
読み終わった後、あなたの心も救われるやさしい物語です。
インスタフォロワー数200万人のミニチュア写真家・田中達也氏がカバーを手がけています
(紹介文引用)
 

青山美智子さんの二冊目です。前回、読んだ「鎌倉うずまき案内所」がとっても素敵な作品だったので、青山さんのデビュー作品であるこちらも読んでみたいと思い手に取りました。

本作も前作同様、連作短編小説だったのですが、今作は一つの話がもっと短くて、読みやすいのに、一つ一つのお話がホッコリできる青山さんらしい温かい小説でした。

それから、この連作短編小説は、一つのお話と次のお話が繋がっていて、前のお話で脇役だった人物が、次のお話では主役だったりしました。お話が沢山あるので、登場人物が多くて、誰と誰がどう繋がってたっけ??と、お恥ずかしながらも、迷子になりそうな時もありました。ですので、もし可能だったら、登場人物相関図が、巻末にでもあったら、私のようなアンポンには、ありがたかったです。

そして、最後の話が最初の話につながってたことは、心から嬉しかったです。一冊を通してラブストーリーになってたのは、すごく素敵でした。ココアさんとココアさんは果たしてどうなるのか⁈最終話の続きが読みたくなりました。

また、全ての短編のテーマカラーがあったのもとても楽しかったです。そのテーマカラーとお話が絶妙にマッチしてて、とても素敵でした。

人と人とのつながりの大切さや、人と接する温かさ。またそこにある小さな幸せを、この本は私に教えてくれたと思ってます。こんな素敵な本に出会えたことを幸せに思います。